2&3 ロケール、時刻設定
2025/10/25
2. ロケール設定(ja_JP.UTF-8)の解説
sudo dnf install -y glibc-langpack-ja
日本語ロケールパッケージをインストールします※ロケール=地域と言葉、文字コードの設定
glibc-langpack-jaは、システムで日本語を扱うために必要な言語パックです
-yオプションで、確認プロンプトに自動的に「yes」と答えます(対話的な確認をスキップ)
これにより、日本語の日付表記、通貨記号、文字コードなどが利用可能になります
インストール前に内容を確認したい場合
sudo dnf info glibc-langpack-ja # パッケージ情報を表示 sudo dnf install glibc-langpack-ja # -yなしで実行(確認あり)他の言語パックを見たい場合
dnf search glibc-langpack # 利用可能な言語パック一覧 sudo localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8システム全体のロケール(地域設定)を日本語UTF-8に設定
LANG=ja_JP.UTF-8の意味:
ja = 日本語(Japanese)JP = 日本(Japan)
UTF-8 = 文字エンコーディング
UTF-8が主流になる世の中になって欲しいです(Windows系はいまだs-jis)
この設定で、エラーメッセージやシステムメッセージが日本語になります
現在の設定を確認
localectl status # 現在のロケール設定を表示利用可能なロケール一覧
localectl list-locales # インストール済みのロケール一覧 locale -a # 同様の情報を別コマンドで個別の環境変数を設定
export LANG=ja_JP.UTF-8 # 現在のセッションのみ変更
cat /etc/locale.conf
ロケール設定ファイルの内容を確認設定が正しく保存されたか確認できます
期待される出力:LANG=ja_JP.UTF-8
補足情報:
ロケールの詳細を確認locale # 現在適用されているロケール情報 locale -k LC_TIME # 時刻表記の詳細設定を確認
3. タイムゾーンと時刻同期設定の解説
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
タイムゾーンを東京(日本標準時)に設定サーバーの時刻が日本時間(JST: UTC+9)で表示されるようになります
ログファイルのタイムスタンプなども日本時間になります
利用可能なタイムゾーン一覧
timedatectl list-timezones # 全タイムゾーン表示 timedatectl list-timezones | grep Asia # アジア地域のみ表示現在の設定確認
timedatectl show # 詳細情報表示 date # 現在時刻を確認 sudo systemctl enable --now chronydchronydはNTP(Network Time Protocol)クライアントであり、正確な時刻を発信しています。
インターネット上の時刻サーバーと同期して、正確な時刻を維持します
enableでシステム起動時の自動起動を有効化
--nowオプションで、有効化と同時にサービスを起動
詳細説明:
このコマンドは以下の2つを同時実行sudo systemctl enable chronyd # 自動起動を有効化 sudo systemctl start chronyd # サービスを起動他のオプション
sudo systemctl status chronyd # サービスの状態確認 sudo systemctl restart chronyd # サービスを再起動 chronyc sources # 同期先サーバーの確認 chronyc tracking # 同期状態の詳細確認
timedatectl status
- 現在の時刻設定の詳細を表示- 以下の情報が確認できます:
- Local time(ローカル時刻)
- Universal time(UTC時刻)
- RTC time(ハードウェア時刻)
- Time zone(タイムゾーン)
- NTP synchronized(時刻同期の状態)
表示例の解説:
Local time: 月 2025-10-27 14:30:45 JST # 日本時間
Universal time: 月 2025-10-27 05:30:45 UTC # 協定世界時
RTC time: 月 2025-10-27 05:30:45 # ハードウェア時計
Time zone: Asia/Tokyo (JST, +0900) # タイムゾーン
NTP synchronized: yes # NTP同期:有効
なぜこれらの設定が重要か:
ロケール設定
日本語でエラーメッセージが表示され、トラブルシューティングが容易になります。日本語ファイル名が文字化けしない
日付や数値の表示が日本の形式になる
時刻設定
ログファイルの時刻が日本時間になり、問題発生時刻が分かりやすいcronジョブ(定期実行タスク)が期待した時刻に実行される
SSL証明書の有効期限など、時刻に依存する機能が正しく動作
確認コマンド:
設定後の動作確認
echo $LANG # 環境変数の確認 date # 日本時間で表示されるか ls -l # 日時が日本語表記か確認これらの設定はサーバー運用の基本となる重要な設定です。特に時刻同期は、ログ分析等で非常に重要になります。