antiX-swap設定

2025/10/30

antiX(runit)でのswap領域設定

概要

Let's Note CF-LX5(メモリ4GB)でantiXを運用する場合、swap領域の設定は安定動作に必須です。
今回はパーティションを変更せず、「swapファイル方式」で安全に導入します。
項目内容
PC名Let's Note CF-LX5
CPUIntel Core i5-6300U (2.4GHz)
メモリ4 GB
システム64bit antiX Linux (runit)
デスクトップrox-iceWM

swap容量の推奨値

メモリ容量利用目的推奨スワップ容量
4GB軽作業・Web・RDP用途2GB~4GB
4GB多アプリ・VPN利用4GB~8GB
おすすめ:4GB(メモリと同容量)
SSD搭載機ではswapアクセスも高速です。休止(hibernation)を使わないなら4GBで十分です。

swapファイルの作成手順

手順コマンド例説明
`sudo fallocate -l 4G /swapfile`4GBのswapファイルを作成
`sudo chmod 600 /swapfile`アクセス権を制限(root専用)
`sudo mkswap /swapfile`swap領域として初期化
`sudo swapon /swapfile`swapを有効化
`swapon --show` または `free -h`動作確認
sudo fallocate -l 4G /swapfile
sudo chmod 600 /swapfile
sudo mkswap /swapfile
sudo swapon /swapfile
swapon --show
出力例:
NAME      TYPE SIZE USED PRIO  
/swapfile file 4G   0B   -2

永続化設定(再起動後も有効にする)

echo '/swapfile none swap sw 0 0' | sudo tee -a /etc/fstab

再起動後も自動的にswapが有効になります。

swap削除手順(不要になった場合)

sudo swapoff /swapfile  
sudo rm /swapfile  
sudo sed -i '/\/swapfile/d' /etc/fstab

swappiness(スワップ使用頻度)の調整

デフォルトではメモリ使用率が高くなるとswapを積極的に使い始めます。
SSD環境では、値を低くしてswap頻度を減らすのが適しています。
目的コマンド説明
一時的変更`sudo sysctl vm.swappiness=10`起動中のみ有効
永続化`echo 'vm.swappiness=10' sudo tee -a /etc/sysctl.conf`再起動後も維持
確認:
cat /proc/sys/vm/swappiness  
→ 10 が表示されればOK

最終確認項目

項目コマンド期待出力
swap有効化`swapon --show`/swapfile が表示される
メモリ使用量確認`free -h`Swap欄に4G程度
fstab登録確認`grep swapfile /etc/fstab`設定行が表示される
swappiness確認`cat /proc/sys/vm/swappiness`10

まとめ

この方法で、ディスクを再構成せずに安全にswap領域を導入できます。
SSDの寿命への影響も軽微で、安定性が大幅に向上します。

次のステップとして、圧縮スワップ(zswap / zram)を導入すると、さらなる高速化も可能です。

antiXでのswap設定の重複修正手順

概要

antiXインストール後に手動でswapファイルを追加した際、fstabに重複設定が残ることがあります。
たとえば、下記のように2行ある場合は二重設定です。
/swap/swap swap swap defaults 0 0
/swapfile none swap sw 0 0

このままでは、起動時に不要なエラー(存在しないswapをマウントしようとする)や警告が出る可能性があります。  
1行目を削除し、正しい `/swapfile` のみを残します。

修正手順

手順コマンド説明
`sudo nano /etc/fstab`fstabを開く
不要行削除`/swap/swap swap swap defaults 0 0` の行を削除
保存Ctrl + O → Enter、Ctrl + X で終了
修正後のfstabの内容は以下のようになります。
/swapfile none swap sw 0 0

テストと確認

目的コマンド期待出力
swapを再読み込み`sudo swapoff -a && sudo swapon -a`エラーなしで完了
有効なswap確認`swapon --show`/swapfile のみが表示
fstab確認`grep swap /etc/fstab`1行のみ(/swapfile)
出力例:
NAME      TYPE SIZE USED PRIO  
/swapfile file 4G   0B   -2

補足

`/swap/swap` は antiX の一部インストーラが自動生成する旧形式です。