antiX23をレッツノート&リモートデスクトップ

2025/10/28

antiX 23 を使って、Let’s Note LX5をリモートデスクトップ端末にした記録

概要

Windows 11 非対応となった Let’s Note LX5 に、軽量 Linux「antiX 23」を導入し、日本語化・RDP クライアント設定・VPN接続までを基本とし、そこから順次、いろんな環境を整えています。自分の覚書だったのですが、せっかくなので公開することとしました。

Windows10のアップデートが終了したのですが、自宅・事務所にはそれなりスペックのノートパソコンが多数あります。
このまま捨てるのは惜しいのと、技術的関心があったので、いろいろやってみました。

事務所ではwindowsをメインに使い、外出的からリモートで繋ぐので、シンクライアント(リモート専用端末)でもいいのですが、インターネット環境がない場合や、WEB会議などでローカルでファイル共有しないといけないときなどのために、実務に耐えるだけの、一通りの構築はしたいと思っています。

これまでのところ、日本語入力が一番の鬼門でした。しかし、それの解決の目処がたったので、公開に踏み切ります。

本件で大事なことは、まず、メインPC(Windows)へ安全に接続できる環境を作ること。これで日本語環境構築に失敗しても、RDPでwindowsに繋げれば、構築中のトラブルはなんとかなるからです。
RDPには、remminaというRDPクライアント。VPNはhamachi(有料版)を使っています。→無料のWireGuardに乗り換えました。使えるVPN-WireGuard

インストール前に知っておくこと

aintiX23は、2種類のアーキテクチャと12種類のデスクトップがありまる。
デスクトップの種類はあとから簡単に変更できますが、アーキテクチャ(sysVint 、runit)は、インストールファイルも異なりますので、まず決めておく必要があります。
詳細はこちら
antiX-デスクトップのオススメと設定留意点

1. 準備(runit)

以下 runit 前提です。

ISOイメージ

公式サイト:https://antixlinux.com/download/
取得ファイル例:antiX-23.2-runit_x64-full.iso
今回は、runit versions を利用

USB作成

Windows上で Rufus を使用。
設定:
  • パーティション構成:GPT
  • ターゲットシステム:UEFI(非CSM)
  • ファイルシステム:FAT32

BIOS設定(LX5)

  • Secure Boot → Disabled
  • USB Boot → Enabled
  • Boot Mode → UEFI
  • F9キーでUSBから起動

2. antiX インストール

Live起動

USBを挿入し、「antiX......... UEFI Boot」を選択。

以下を設定
  • 言語:English(後で日本語化)
  • キーボード:Japanese
  • 時刻:tokyo
一番上のantiX-23.2-runit......を選択すると、USBからantiXが立ち上がり、デスクトップ画面がでてきます。

インストール手順

まだUSBから立ち上がっただけなので、内蔵ハードディスクにインストールする必要があります。
※wifi設定が立ち上がるかもですが、設定してもよいし、後からの設定もできます。インストールだけなら、インターネット接続は必要ありません。

ここから先は、windowsを完全消去しますので、そのおつもりで。

デスクトップの「Installer」をクリック(ワンクリック)して実行。
  • パーティション:Regular install using the entire disk を選択。システム用(root用)として60GB程度を確保(スライダーにて)。
  • Hostname:antix-lx5(コンピュータ名なのでなんでもよいし、後から変更もできる)
  • Domain:example.dom(デフォルトのままで可。独立運用であればこのパラメータが使われることはあまりない。メール系を設定するときには自分のドメインを設定しましょう。)

パーティション構成(256GB SSD例)

マウントサイズ備考
/60GBOS本体
/home残り約180GBユーザーデータ
swap2〜4GB仮想メモリ
/boot/efi512MBEFI領域
※ locale は この時点ではUSのまま(timezoneは東京でOK)

インストールの途中で、ユーザーログイン情報(ID,pass)の入力画面がありますので入力。
rootも設定してもいいですが、どのみちrootログインは許さない運用となると思いますので、任意です。

インストールが完了したら、リブートします。

最初のID,パスワード入力画面で、Window Manager(デスクトップ)を選択しておきましょう(F1キー)。後から簡単に変更もできますが、ここで変更できることを知っておきましょう。
ここでは、rox-icewm を選択します。

ログインできたら、USBをはずしておきましょう(panasonicの表示がでたところで外してもOK)。

wifi設定

wifi設定画面が開きますで、を設定しておきましょう。
有線LANの方は設定不要。

3. 日本語化

日本語化については、①インストール時に指定、②インストール後、設定パネルから設定、③ターミナルのコマンドラインから設定があります。
①については、推奨しない(あとで不具合?)という報告もあったので、③の方式としますが、今では改善されているかもしれません。

再起動後、端末を開いて次を実行。
sudo apt update -y
このあと、さまざま設定していくのですが、RDPを先に設定したほうが楽かもしれません(いろんな設定をコピペできるから)。
sudo apt install -y locales task-japanese ibus-mozc fonts-noto-cjk
sudo sed -i 's/^# *ja_JP.UTF-8 UTF-8/ja_JP.UTF-8 UTF-8/' /etc/locale.gen
sudo locale-gen
sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
sudo fc-cache -fv
sudo reboot
再起動後、日本語表示となります。(ここでの設定は、表示のみ。日本語入力はこちら

4. ブラウザとRDPクライアント

Firefox ESR

firefoxはプレインストール済なので省略可
sudo apt install -y firefox-esr

Remmina(RDP用)

Remminaはwindowsでの「リモートデスクトップ接続」クライアントと同じものです。
sudo apt install -y remmina remmina-plugin-rdp freerdp2-x11
起動後、「+」ボタンでプロファイル作成。
  • プロトコル:RDP
  • サーバー:事務所PCのIP(例:192.168.1.100)
  • ユーザー名:Windowsログインユーザー
  • パスワード:同上
  • ドメイン:空欄または「.」
  • 解像度:1920×1080
  • 色深度:16bit
保存後、ダブルクリックで接続。

5. VPN(Hamachi)導入

現在、hamachiは解約して、WireGuardに乗り換えました。WireGuardのほうがお勧めです。使えるVPN-WireGuard

ダウンロードとインストール

cd ~/Downloads
wget https://vpn.net/installers/logmein-hamachi_2.1.0.203-1_amd64.deb
sudo apt install ./logmein-hamachi_2.1.0.203-1_amd64.deb -y

自動起動設定(sysvinit版 antiX)

runit の場合はこの設定は必要ありません!!これまでの設定で再起動時も自動で立ち上がります。
sudo update-rc.d logmein-hamachi defaults

インストール後、rebootします。

sudo reboot

初期設定

sudo hamachi login
sudo hamachi attach <LogMeInアカウントメール>
sudo hamachi set-nick antix-lx5
sudo hamachi join <ネットワークID> <パスワード>
logmein(hamachiネットワーク)の端末確認画面で、antix-lx5がメンバーになっていればOK
承認が必要なモードになっているのであれば、承認してあげましょう。

動作確認

念の為、再起動後、次の確認。
※繋がれるほうのパソコンとは異なるネットワーク(スマホテザリング等)からテストしないと、hamachi経由テストとならないので、注意してください。
sudo hamachi list
自端末が 25.x.x.x で表示され、サーバー側(繋がれるほう)のPCのhamachiアドレスが見えれば成功。

7. remmina(RDPクライアント)の設定

remminaを立ち上げて、左上の + マークをクリックしたら、接続プロファイル設定画面となります。
ここで、繋げられる側のhamachiでのIPアドレスなどをセットしましょう。

名前で接続する

IPアドレスで接続せず、コンピュータ名などで接続したい場合にはhostsファイルに登録します。
sudo nano /etc/hosts
以下を加える
25.X.X.X   <office-pcの名前>

まとめ

これで、Let’s Note LX5(antiX 23)が軽量VPNクライアント兼リモートデスクトップ端末として完成。
出張先・自宅・テザリング環境からでも、VPN経由で事務所PCに安全に接続できる。

補足2

*zzz-IceWMでショートカットを簡単に置く3つの方法

方法①:zzz-Filerでドラッグ&ドロップ

これは最も自然で失敗が少ない手段です。

File-Manager で以下のディレクトリを開きます。

/usr/share/applications


アプリ一覧が .desktop 形式でずらっと出ます。
(org.remmina.Remmina.desktop, firefox-esr.desktop など)

そのアイコンをドラッグしてデスクトップ上にドロップ。

 → File-Manager が自動的に .desktop をコピーしてくれます。
 → 権限や実行属性も自動付与。